akira

メランコリアのakiraのネタバレレビュー・内容・結末

メランコリア(2011年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます


美しいSF映画。終末世界ものは、碇シンジ君的な自意識に直結しがちなので
好きになれないものが多い中、「アナイアレイション」や今作は楽しんで見れた。
自我と社会がちゃんと分離していて(当たり前)、その上で社会の外側を感じることを奨励する。
この映画はサムライミ版スパイダーマンのJ J役だったキルステン・ダンストが演じるジャスティンが、姉クレアが開いてくれた自分の結婚披露宴をめちゃくちゃにするパートと、惑星が衝突することで消滅する地球とクレアの家族とジャスティンのパートに分かれる。

前半〈社会〉の中で起こる眩暈
後半〈世界〉に取り込まれることを受け入れる

この図式は「トロピカルマラディ」に似ている。ただ途上国の熱気があった時代のバンコクが舞台の「トロピカルマラディ」の前半では、街の人間全員が眩暈を感じさせるのに対して、
「メランコリア」の前半では、社会的営みの象徴である「婚姻」を壊すジャスティンだけが、惑星の衝突という事実を知り、〈社会〉の外側にあるものを感じとり、眩暈に取り憑かれる。
akira

akira