わたP

SR サイタマノラッパー2 〜女子ラッパー☆傷だらけのライム〜のわたPのレビュー・感想・評価

4.5
IKKUのなんにも変わって無さ、なんにもわかってなさがもういきなり痛々しくて、それでこそIKKUだよと嬉しくなった。

今回は群馬の女の子たち(っていっても20代後半に差し掛かっているけど)を主人公に、彼女たちが抱える上手くいかない現実とどう向き合っていくかという話になっていて、前作よりも抱えているものが重い。(前作はなんにも抱えていないいくらでもやりようがあるだろっていうダメさが良いというところもあるけど)
それでもやっぱり全員痛々しくて、マミーのキャラクターなんてちょっと簡単に受け入れたり現実では好意的には思いがたい
んだけど、それをもクライマックスで全部持って行ってくれて、笑いながら泣いてしまった。

いやもうほんとにクライマックスが素晴らしくて、前作でもそうだったように、ラップによって自己主張をしてスッキリというのではなくて、ちゃんと冷ややかな目線を入れているのがとても良い。途中お父さんの岩松了が「皆そうやって生きてんだよ」といって入ってくるのなんて最高だった。
でも、それでも抗えないものがラップ(というか自分が魅了されてしまったもの)にはあるというのを痛々しくめちゃくちゃダサく語ってくれる。
主人公の山田真歩ちゃんは最初ちょっと群馬の芋っ子(蒟蒻屋だからまさに!)がちょっとわざとらしいかなあと思ったけど、最後の最後でダサ可愛カッコいいダサいに大変貌して、それこそがこの映画の魅力かなあと思う。
あと見入ってしまってから気づいたけど、クライマックス20分ぐらいずっとワンカットですよね。めちゃくちゃすげえ。

シュッシュッシュー♪が頭から離れない
わたP

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