たいてぃー

私は猫ストーカーのたいてぃーのレビュー・感想・評価

私は猫ストーカー(2009年製作の映画)
3.6
以前にも観たことがあった本作を、ある目的があって鑑賞。「のようなもの、のようなもの」に出てくる、谷中のヒマラヤ杉が出てくるシーンがあるかどうかの確認である。

あった!(muraさん、ありましたよ。)

主演の星野真里演じるハルと僧侶らしい男役の諏訪太朗が猫を探したが見つからずに一休みするシーンが、この木の下。この木をセンターに少し高い位置から撮影した映像は迫力があり、美しさもある。
撮影監督は、たむらまさき。最初の鑑賞時は、手振れや過剰な露出・ピントずれで嫌悪感があったが、すべてが計算されてのカメラワークとすれば、納得がいく。あと、猫目線での主観ショットもあり、テクニック満載。って、この撮影監督は、数々の名作を撮っている、超ベテランじゃないか。
諏訪太朗は最初の登場シーンで、自転車に乗って後ろ姿でフレームインするのだが、すぐこの人だとわかる。「甘い鞭」ではSMクラブの客の役で、アイマスクを付けて登場するが、これもすぐにこの人だとわかる。希有な役者である。
ストーリー的には、原作がエッセイであるから、脚本が難しいとも思われるが、黒沢久子がうまくまとめている。って、この人も有名作品を手掛けている脚本家じゃないか。
音楽も個性的でいいと思ったら、結構有名なミュージシャンみたいで。
短期間撮影の低予算製作とのことだが、これだけのスタッフが揃えば、いい作品になるのだろう。いや違う。この監督ならではなのだろう。DVDには、メイキングやコメンタリーがあり、これを見ると鈴木監督のこの作品に対する意気込みや愛着が感じられる。この後の「ゲゲゲの女房」や「楽隊のうさぎ」も良作である。
あと、この作品には、カメオで瀬々監督がオッサン役で出演していることを、つけ加えておく。ごくふつうで、いい感じ。