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マイマイ新子と千年の魔法のrage30のレビュー・感想・評価

マイマイ新子と千年の魔法(2009年製作の映画)
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片渕須直監督作品という事で、“想像力を羽ばたかせる主人公”や“徹底的な時代考証に基づくリアルな絵作り”といった部分は、『この世界の片隅に』と通じるものを感じました。

個人的には後者の部分に惹かれましたね。
昭和30年代の日本の田舎描写、そのディティールの1つ1つが実に味わい深い。
亀を紐でくくって飼う少年、ガス冷蔵庫、ウィスキーボンボン、ポン菓子…。

そういった細かいリアリティーの積み重ねによって、作品世界へどんどん引き込まれていく。
幼い時に川遊びをした記憶などないはずなのに、まるで自分の幼少期を見ているかの様な、もしくは新子達と一緒になって遊んでいるかの様な、感覚にさせられました。

タイトルからはファンタジー色の強い作品を想像しますが、実際は昭和を生きる少女の友情と冒険が描かれた作品なので、『この世界の片隅に』が楽しめた方なら楽しめると思います。
『この世界の片隅に』で感傷的になった気持ちを、この作品で癒すのも良いかもしれません。
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