ひじょうにテンポ良く、設定を織り込みながらストーリーが進むので、約２時間にかなりの情報量が凝縮されている。もちろんマクロスシリーズのテーマである「歌」、「恋愛（三角関係）」、「戦争（可変戦闘機）」も緻密な演出と作画で描かれている。ヒロインの一人、ランカのシンデレラストーリーはアイドル映画と言ってもいいだろう。
今作は観れば、間違いなく後編『劇場版 マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜』（2011年）も観賞したくなる佳作である。ひょっとしたらマクロスシリーズにハズレはないのかもしれない。
惜しむらくは数十年前より次々と各社から傑作劇場アニメが発表され続けているため、本作はすっかり埋もれてしまっていることである。おそらく本作も後編『劇場版マクロスF～サヨナラノツバサ～』も再評価されることはまずないだろう。
