ミシンそば

妖精たちの森のミシンそばのレビュー・感想・評価

妖精たちの森(1971年製作の映画)
2.6
ゴッドファーザー以前で、少し落ち目と言ってよかった時期のマーロン・ブランドは、それでもカリスマ性を放っている。
子供たちの無邪気さも相まって、一つでもねじの狂いが解消されれば、普通のファミリー映画になりそうな雰囲気があるけど、そうはならない。

ブランド演じるピーター・クイントは、愛する人の愛し方を致命的に間違えているクズだからだ。
愛される側のマーガレット・ジェスル(ステファニー・ビーチャム)の中途半端な寛容もその感情を増幅させ、またクイントに心酔する子供たちは面白いように悪い部分、汚い部分を吸収してゆく。

特に弟のマイルズの方は、もともとそっちの才能があったんだろう、としか言いようがない。
生まれながらの邪悪、そういう物を垣間見れる作品だった。

なお、デボラ・カー主演の「回転」の、前日譚のようで前日譚ではない(微妙に設定が異なる)ので、「回転」を観なくても楽しもうと思えば楽しめる。