ノットステア

ONE PIECE ワンピース エピソード オブ アラバスタ 砂漠の王女と海賊たちのノットステアのレビュー・感想・評価

3.1
〇感想
 原作とほぼ同じ。カットされたシーンが多い。オリジナルストーリーがあるわけでもない。アラバスタ編はスケールが大きいからか、90分の映画にするには無理があったのかな。それとも単に脚本がイマイチだったのかな。
 TVスペシャルではなく、映画でコレっていうのがキツイかな。

 ルフィって毒にやられること多いなって改めて思った。
 毒にやられて立っていられなくなり、ふらふらしてたのに、ゴムゴムの暴風雨でクロコダイルに勝つ。ふらふらしてモタモタしてるうちにもっと毒がまわってしんどくなってるはずなのに。なんでそんな激しい技できるん?モタモタしてるとき、しんどそうにしてクロコダイルの油断を誘おうとでもしたのか?動くなら動くでさっさとケリつけんかい!と思ってしまった。ゴムゴムの暴風雨はカッコいいし派手だし面白いし好きだけど。。。
 どれだけカットされても最後の仲間の印は好き。



○サスペンスについて
 アラバスタの地図は描かれないけれど、上空からの映像が映されるのは良かった。どこで何が起きているか想像できる。なんならもっと繰り返し示してくれても良いのに。原作も地図が描かれるから状況がわかるり、嬉しいし楽しめる。何度斬っても殴っても立ち上がっちゃうからリアルさはないけど、そこはまぁ、いっか。
 原作を何回も読んでるからどこで何が起きてるのかわかる。初見だと厳しいかも。
 黒澤明監督の『七人の侍』についての対談で、町山智浩さんと春日太一さんがサスペンスと地勢に関して次のように述べていた。以下、対談から抜粋したもの。

日本映画はサスペンスが弱い。
地勢がはっきりしていなかったらどこで何をやっているかがわからない。敵がどう攻めてきても、どう迎え撃っているかが観客には見えない。それではサスペンスが生まれない。ドラマではうまくいってもサスペンスにはならない。
そこで地図を何度も見せながら、「ここをこう守ろう」と延々やる。また具体的に何対何で何人殺して残り何人かということをちゃんと描く。リアルな戦闘を描こうとした。最初のほうで斬られた人が画面の外で立ち上がってもう一回斬りかかるというようなことはしない。見得を切ったりアップで立ち姿の綺麗さを出したりとか、そういう様式が一切ない。ごちゃごちゃの中で斬って、気がついたら誰かが死んでいる。死のシーンがドラマティックではない。死についてもリアルに描く。(pp.32-34)
町山智浩、春日太一著(2019)『町山智浩・春日太一の日本映画講義 時代劇編』河出書房新社

以下、ネタバレあり












〇印象的なセリフ
開始直後
・子供の時のビビ「ねえペルー」
ペルー「はい」
子供の時のビビ「なぜ毎日戦いの訓練をするの?」
ペルー「護衛兵ですから。この国を御守りするためです。強くならねば」
子供の時のビビ「誰と戦うの?」
ペルー「さあ。戦うことより守るのです」
子供の時のビビ「違うの?」
ペルー「目的の違いです。」
子供の時のビビ「ふーん。変なの」
※このセリフはもう一度出てくる。

・ペルー「ビビ様。私はネフェルタリ家に仕えられたこと、心より誇らしく思います。」

・ペルー「我、アラバスタの守護神、ファルコン。王家の敵を討ち滅ぼす者なり!」

・子供の時のビビ「ねえペルー」
ペルー「はい」
子供の時のビビ「なぜ毎日戦いの訓練をするの?」
ペルー「護衛兵ですから。この国を御守りするためです。強くならねば」
子供の時のビビ「誰と戦うの?」
ペルー「さあ。戦うことより守るのです」
子供の時のビビ「違うの?」
ペルー「目的の違いです。」
子供の時のビビ「ふーん。変なの」
サンジ「あのやろー」
ナミ「国を守ったんだわ」

・ビビ「少しだけ、冒険をしました。それは、暗い海を渡る絶望の旅でした。暗い旅。嵐の中で一隻の小さな船に会いました。船は私の背中を押して、こう言います。お前にはあの光が見えないのか。闇にあって決して進路を失わないその船は踊るように大きな波を越えていきます。海に逆らわず、しかし船首はまっすぐに。そして指をさします。見ろ。光があった。歴史はやがてこれを幻と呼ぶけれど、私にはそれだけが真実。」



○あらすじ
ボン・クレーとの出会いから物語は始まる。
クンフージュゴン無し。
エース無し。スモーカー無し。たしぎ無し。海軍はラストのみ。ラストのボン・クレー無し。
Mr.3無し。バナナワニ無し。Mr.プリンス無し。
ボン・クレーの変装を見破る仲間の印のシーン無し。
ボン・クレーにボコボコにされるウソップとまつげ無し。
ツメゲリ部隊無し。「我アラバスタの守護神ジャッカル」無し。水ルフィ無し。ルフィの敗北は一回だけ。
宮殿から葬祭殿へ先に行く国王コブラとロビン。クロコダイルとビビとチャカとコーザは残る。チャカもコーザも倒され、ビビは宮殿から落とされる。クロコダイルは葬祭殿へ。ペルーに乗ったルフィがビビを抱きとめる。
ロビンの過去(サウロの描写)あり。Dの名を持つものに救われたのは2回目。