April01

スピードのApril01のレビュー・感想・評価

スピード(1994年製作の映画)
3.4
サンドラ・ブロックのさらさらボブのヘアスタイルと明るい髪色がキャラクターに合っている。

エンドロールのビリー・アイドルの歌Speedがパワフルで作品のエンディングに合っている。

閉塞感あるバスの中で無関係の乗客が巻き込まれるハプニングものとしてハラハラドキドキする展開と乗客の小競り合いや緊張感を織り交ぜている点は心理劇として面白い。

アクションものとしてもタイトル通りスピードとの勝負になっていて、コントロール不能な中、建造物をぶち込ましまくるので破壊系スリルを味わえる。

肝心のバスと電車のスピードのスリルよりは、スワット部隊がゴキブリみたいにカサコソ襲撃する場面などの細かいシーンの方が好き。
特に相棒ハリーが気づいた時のあの表情は上手いし、切なくて一瞬だったけど1番ドラマティックだった。

キアヌの棒演技は当時から変わらぬ予想を裏切らない通常運転。セリフに抑揚がなく表情の表現も乏しい、でもそこを含めて彼の魅力かと。

プロットは、正直あまり好きではない。
恋愛要素を優先してしまった為に、相棒の悲劇がまるでなかったことみたいにされてるのが残念。特にラストのツーリスト達の面前で、それをやるかっていうような、皆様ご期待の。。って感じのソフト受けを狙うシーンは、馬鹿らしくて見てられない。

男同士のバディものとしてスタートしたことが嘘のよう。ラストに至るまでに完全にハードボイルドアクションを捨て去り、ラブコメになってしまっている。このすり替えに我慢できない。

2人の恋愛要素とか邪魔でしかないし構成間違えてる。もっと硬派な物語にできたのに勿体ない。

デニス・ホッパー演じるハワードの狂気も結局彼がなぜそうなったか描ききれていなくて、このキャラもハリーと共に使い捨てにされた感じ。
とはいえ、そのようなソフト路線にまとめ上げたからこそ万人向けの人気作になったので商業主義の点からは正しい。

勘違いしてやりすぎて次作で失敗したことから見ても、何事もバランスが大事だというお手本として勉強になる。
April01

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