リドリー・スコットらしく、映像美やイタリアを舞台にしたゴシックな雰囲気は良い。
レクター博士の優雅さや知性がフィレンツェの町並みとマッチして洗練され艶やかで心地よい空気が流れる。
前作の流れを汲んでいない原作と、その原作とも違う展開になっているという、迷走感を隠せてないグダグダな感じが問題。
ジュリアン・ムーア演じるクラリスは、オリジナルのクラリス像からは、遠すぎてついていけない。
「羊たちの沈黙」の続編ではなく別物語となってしまったことが、本作最大のインパクト。
前作のジョディーフォースターはハマリ役だったと改めて感じる。
無理やり着せられたとはいえ、エロいドレスでバストを見せつけてるクラリスなんて観たくなかった。しかもレクターとの中途半端な関係性が意味不明。
きわめつけは最後の晩餐。前作での見事なまでの静謐なホラーサスペンスとは打って変わって、コメディかというくらいのB級グロサスペンスになり下がってしまった瞬間。
ただしレイ・リオッタの壊れぶりは見ごたえあり。