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マックス、モン・アムールのnanaのレビュー・感想・評価

マックス、モン・アムール(1986年製作の映画)
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近頃、頻繁に家から出てはどこかへ向かう様子の妻。
浮気を疑った旦那が探偵を雇い場所を突き止め、アパートの一室を訪ねるとそこで妻と一緒にベッドにいたのは…!
…それはポスターを見れば一目瞭然なのですが、今作ではこの一連の流れをサスペンスとして終盤まで引っ張るのではなく、サクサクと序盤でテンポ良く見せてくれます。

この物語の面白いところは、普通であれば旦那がマックスを拒絶したり、「お前は俺とこの猿どっちが好きなんだ」みたいな争い・葛藤が延々と続きそうですが(彼は大使館に勤める立場ある人なので尚更)、途中から何だか志村どうぶつ園のようなほっこり動物触れ合い物語になっていくところです。何なら旦那もはなから愛人がいていろいろ自由にやってる人だし。
勿論、そういうトラブルシーンが全くないわけではありませんが。
時折挟まれるギャグのような場面、気まずい場面は笑ってしまいます。

車で皆で家に帰るシーンは、何だか多幸感に溢れています。
しかし、あの家族は、これからどうなっていくのでしょう。
不思議な余韻を残す物語でした。

シャーロット・ランプリングの魅惑的な瞳で見つめられたら、もう何も言い返せなくなってしまいます。
あのリック・ベイカーが手掛けた猿のダミーと、本物の猿を併用したマックスの演技も必見です。
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