Benito

コンドルのBenitoのレビュー・感想・評価

コンドル(1975年製作の映画)
5.0
【 70年代の良質なポリティカルスリラーの最高峰 】

ニューヨークの小路地にある「アメリカ文学史協会」の看板を掲げている建物の中は、実はClAの支部。そして、そこで起きるオープニングシークエンス10分は何度観ても圧倒される。(リメイクドラマも、オープニングは踏襲されてたし)

レッドフォードとダナウェイというスターの'夢'の共演も見どころでレッドフォードは「華麗なるギャッツビー」の後。ダナウェイは「チャイナタウン」の後の頃でスリラーなストーリーにロマンスを加えて大人なドラマ。ファッションも見どころでレッドフォードの着こなすあの黒いピーコート、スーツ、ニットウエアなどセンスがいいし。

更にオープニングに次いで、怖いのは殺し屋ジョベア(シドー演じる)の存在。金で殺しを請け負うプロで、静かな佇まい(暮らしも質素)で冷酷に仕事をこなす。ターナー(レッドフォード演じる)との駆け引きは痺れる。エレベーターのくだりもいい。

監督ポラックの演出、役者陣の充実、撮影や編集のセンスの巧さ、クールなサウンド、ファッション、ロケ地と当時の不安な世相、と・・70年代の丁寧に作られたスリラーは今では貴重な存在。こんな作品を観るのは幸せ(通算7, 8回目くらい)

<付録 : 音楽について>
デイブ・グルーシンのJazz fusion and R&B-funkのお洒落なサウンドトラックがニューヨークの風景にマッチしていて気持ちいい。監督のシドニー・ポラックはグルーシンと多くの作品(トッツィー、ハバナ、ザ ファーム、ランダムハーツなど)で組んでいるが「コンドル 」はやはり別格!

そして、ミャージシャンが豪華。
Dave Grusin : piano, keyboards, synth
Harvey Mason : Drums
Chuck Rainey : Bass
Lee Ritenour : Guitars
Tom Scott, Ernie Watts : Sax
Marti McCall, Jim
Gilstrap : Vocal

テーマ曲をモチーフにしたヴァリエーションでサントラが展開されていて、'Love Theme'はギターのリー・リトナーとトム・スコットのサックスが絡んで美しい。
スコットは「コンドル」の翌年に製作された「タクシードライバー」でも演奏していて結構似てる曲調だったな〜、、
リトナーは大御所ながら、日本のフュージョンバンド'カシオペア'と競演したり、杏里(一時期婚約してたけど)のアルバムのプロデュースしたりしていたよな、、
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