J四郎

アニマル・ハウスのJ四郎のレビュー・感想・評価

アニマル・ハウス(1978年製作の映画)
2.3
「ブルースブラザーズ」のジョン・ランディスが監督、ジョン・ベルーシ主演のアメリカのコメディ映画。
アメリカの大学には友愛会なるものがあるらしい。
ざっと調べてみると、フラタニティとかソロリティとか言われる団体で、サークルよりもっと行動理念がハッキリしている互助会のようなもんだとか。
なのでこれは日本人にはイメージにしにくいし、僕も当然そうです。

この映画はその友愛会が舞台で、大学内にはエリートの”オメガ・ハウス”と問題児ばかりの”デルタ・ハウス”の二つがある。
主人公側はもちろんこのデルタ・ハウスのほう。

映画の内容はコイツら落ちこぼれ集団が騒ぎを起こしてばかりなのでやがて追放の危機に陥って、最後は反撃をしかけるというオーソドックスなもの。いかにもアメリカコメディ映画らしいバカ騒ぎです。
親の脛かじって大学に通ってながらこんな事ばかりしてりゃ自業自得だこのバカどもめ!とは思うが、まあ、これは映画なのでとりあえず置いておこう。

話の冒頭で新人二人がオメガ・ハウスを訪れたとき、部屋の隅へと案内されてしまう。そこには非白人や身体障がい者ばかり居る。
このオメガ・ハウスの構成員は良く見るとエリート白人ばかりだ。
どうやらこの映画には差別に対する問題意識もあるみたいだ。
それに60年代前半というこの時代とデルタ・ハウスの人間たちの描写はヒッピーやカウンターカルチャー的なものを連想する。
そのデルタの彼らが最後に大騒動を引き起こしてエリート達にリベンジをする。
ドタバタ劇の背景にこれらが見え隠れするのも評価されているのでしょう。

ただ、この映画には個人的にノレなかった。
基本、落ちこぼれがエリートをやっつける話は大好物です。しっかし、この劇中のボンクラどもは日頃からグダグダ飲んだくれてバカな事ばかりやってるだけで、そら自業自得としか思えない。
エリートを見返すために努力もしなけりゃ知恵も使わない。
ただクライマックスで大騒ぎして仕返しをするだけだ。
この一連の流れには暗喩的なものがあるのかも知れないが、あんまし笑えないし爽快感も無かった。
これはあくまでコメディだからって言ってしまえばそれまでだけど、この辺を上手く見せている作品もあるしな~。

ただジョン・ベルーシの存在感は凄かったし、この人はやはり面白かった。ここで加点してます。
ケヴィン・ベーコンのデビュー作だったりもする。
一部では熱烈な高評価を得ているのを否定はしないが、僕にはダメでした。どうもゴリゴリのアメリカンコメディって大笑いできないんですよ。
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