賽の河原

シャッター アイランドの賽の河原のレビュー・感想・評価

シャッター アイランド(2009年製作の映画)
3.8
公開当時、殆んど映画なんて観ない人間だったので最後の展開には衝撃を受けた。「こういう話ってあるのか!」っていう。
「終盤の展開は読めるでしょw」的な声があるのも分かりますけれど。そのお話のどんでん返しではなくて細部に彫り込み描きこまれたディテールが凄い映画なんだと思うんですけどね。
今見返して見ると、確かに中盤以降の主人公の動き見てると終盤の展開は読み取れるけれど、最後の最後のあのセリフはやっぱり贔屓目抜きに驚かされる終わりかただと思う。
ネタバレ厳禁だとか、そういうこと言う人もいるけど、最後のセリフの究極的なテーマは「人間は過去を抱えて生きている」ということと「過去とどう向き合うか」ということ。これはやっぱり映画の中で問われるテーマとして至極真っ当なもの。
むしろネタバレして2回目とかに観た方がテーマが如何に彫り込まれて描かれているかという風に分かる。その描きかたも本当に上手い。伏線とか終盤のどんでん返しを売りにする映画は星の数あれど、映画のなかにこれだけさりげなく音楽、視線、表情なども含めて伏線が張られているのはやっぱり凄いでしょう。
これ見よがしにダセー伏線張る映画たちにはシャッターアイランドの爪の垢を煎じて飲んで欲しいです。
賽の河原

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