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パプリカのこどものレビュー・感想・評価

パプリカ(2006年製作の映画)
4.5
幾度となく見て、聴いたパレード。否応なく鳥肌が立ってしまう。
俺がブログを読んで涙が止まらなくなってしまったのなんてたった一度、今敏の最期の投稿だけだ。この人は表現者としての次元が違うと思った。病床に伏して尚イメージが湧き出す自らの脳ミソに、彼は困惑していた。圧倒的。カエルや冷蔵庫が行進する様子を見る度、監督がベットの上で見たと語った、カレンダーから行進する何かのことを想う。そして、今敏の映画は、今敏の脳内そのものを観せるためのものなのだと改めて気付かされる。
殊、『パプリカ』に於いては、今敏だけでなく音楽家平沢進の脳内を同時に覗けるという点で非常に稀有なのだ。
ひとつの作品を通して、ふたりのクリエイターの脳内を覗けるというのは、普通有り得ない。しかし、今敏と平沢進は特別なところで繋がっているように思えるのだ。精神とか意識とか、深い深いところで、「同じ」部分がきっとある。
夢が現実を侵食する世界、意識を他人と共有できる世界『パプリカ』。映画の制作を通してふたりのクリエイターがひとつの世界を共有した。そして、我々も映画を見ることでその世界に接続できる。その構図は、『パプリカ』の世界の出来事となんら変わらないことくらいオセアニアじゃあ常識なんだよ!今こそ、青空に向かって凱旋だ!絢爛たる紙吹雪は鳥居をくぐり、周波数を同じくするポストと冷蔵庫は先鋒をつかさどれ!賞味期限を気にする無頼の輩は花電車の進む道にさながらシミとなってはばかることはない!思い知るがいい!三角定規たちの肝臓を!さぁ!この祭典こそ内なる小学3年生が決めた遙かなる望遠カメ
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