竜平

ハンニバルの竜平のレビュー・感想・評価

ハンニバル(2001年製作の映画)
2.8
『羊たちの沈黙』の続編。前作の「バッファロー・ビル事件」から10年後を舞台に、ひょんなことから再び姿を現す「ハンニバル・レクター」とそれを追うFBI捜査官の心理戦を描く。

前作でジョディ・フォスターが演じていた「クラリス」を今作ではジュリアン・ムーアが演じる。続編でしれっとキャストが交代するとか昔はざらにあったよねーなんて。相変わらずの怪演で魅せるアンソニー・ホプキンスに加えて、特殊メイクですごいことになってるゲイリー・オールドマン、何やら裏がありそうなレイ・リオッタなど新キャストも参戦。前作と違って今作では完全にレクター博士が主人公、ということで彼のパーソナルな部分にも少し触れてる印象。なんだけど個人的に思うのは彼って要所要所でしか出てこないからこその不気味さ、頭の中が読めない感じがあったんだけども、主人公に置いてしまうとなんとも魅力半減。そんでストーリーとしても、ハンニバル・レクターというバツグンのアイコンがありながらそれを活かしきれてない気がする、というか描き切れてない、とも言える。前半なんかは起こる出来事にしても、イマイチ盛り上がらないというかなんというか。ここらへんはリドリー・スコットの良くないパターンのやつが出ちゃってる気もする、中盤あたりからようやく話が進むという、前半に無駄が多い、所謂スロースターター。それを払拭しようとするかのような終盤の超変人奇人ワールド。描写的にマジのマジでエグいし、よく意味もわからん。総じて、前作の方が俄然好きだなーという感想。

原作ファンからするとこれこそが待ちに待った我らが「レクター博士」の姿なんだろうか。クラリスとの付かず離れずの独特な関係性をもっともっと掘り下げてほしかったみたいなとこはある。まぁ何が言いたいかって単純に、こーゆーエグいだけのサイコスリラーが俺は苦手、ってなわけでこの点数。
竜平

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