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静かなる一頁のgenarowlandsのレビュー・感想・評価

静かなる一頁(1993年製作の映画)
3.7
ソクーロフ特集にて。
全編にわたり、奥行きがなく、平面に凝縮された絵画のような空間。異次元空間なのか、歪んでいる。

水路に舞い降りた自由な白鳥とは対照的に、
貧しい者はどちらかしか選べないのか。
喜んで選ぶ自死、体を売る清い心、どちらも歪みの中での二択。

湯気が立ち上ぼり、人びとの享楽に溺れる声が響く。魅惑的な彼方の界。

「独裁者たちのとき」(旧題名:フェアリーテール)でもあった噛み合わない会話。どのシーンも文脈を否定し、互いが次元の異なる場にいるからか、交わることを拒んでいる。

虚無を概念的に映像化したのだと思いたい。意味を探してみたのだけれど。
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