荒野の狼

仮面ライダー対じごく大使の荒野の狼のレビュー・感想・評価

仮面ライダー対じごく大使(1972年製作の映画)
2.0
「仮面ライダー対じごく大使」は1972年公開の34分の映画。ライダーの中では、仮面ライダー1号(新一号。演、藤岡弘)のみが出演しており、映画用の新怪人カミキリキッドがでる以外は、映画として特別なものはなく見所にかける。カミキリキッドは特に魅力なく、他の怪人より強いといった特徴が描かれておらず魅力に欠ける(カミキリ虫という子供にも大人にも、今ひとつ人気が低い昆虫がモデルということもあるが)。第一作の映画『仮面ライダー対ショッカー』に登場した新怪人ザンジオーが本作でもリーダー的存在で他の10体ほどの再生怪人と登場するのは楽しいが、これらの怪人の大部分はライダーに倒されずに映画は終了してしまいフラストレーションが残る。なお、本作のポスターにイカデビルらしい怪人の写真が中心にあるが、この怪人は作品には登場しない。
本作の見どころは富士山の美しいロケと、滝和也の活躍 (演、 千葉治郎)の活躍シーンが多いこと(怪人とも対等に戦う滝はめずらしい)。ライダーとショッカーの馬上でのアクションは、絵としては映えるのだが、馬を使うことでユニークとなるはずであったアクションに工夫がないのは残念。ライダーが馬に引き回されるシーンも、引き回されているのが人形だとすぐにわかってしまい、緊張感は低い。
本作の撮影中に主演の藤岡弘と製作者側にトラブルがあったという裏の事情を別にしても、前半の延々と続くバイクレースのシーン(バイクが普通に走っているだけ)や、説明のつかない複数の脱出シーン、唐突な終わり方など、観客・視聴者にリスペクトが感じられない最低レベルの脚本。
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