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トーク・トゥ・ハーのHKのレビュー・感想・評価

トーク・トゥ・ハー(2002年製作の映画)
4.2
スペインの名匠ペドロ・アルモドバル監督の作品は『私が、生きる肌』しか観たことなくて、本作が2本目。
『私が~』は完全な変態映画でしたが、本作も変態と紙一重・・・というかやっぱり変態?
いや、変態と一言で片づけたくない何かがあります。
じゃあ、何かというと・・・何でしょう?

本作はアカデミー脚本賞(脚本もアルモドバル)の他に多くの賞を獲っています。
今さらですがこの監督、20本以上撮った作品のうち半数以上の作品がいくつもの賞の対象になっている本物の巨匠なんですね。
単に私の勉強不足ですが、あと1本くらい見れば憶えにくい名前も憶えられそうです。

私は作品の“あらすじ”は一種のネタバレだと思うのでなるべく書かないようにしていますが、本作もできることなら事前情報は一切ナシで観た方が楽しめると思います。
私も評価が高めということしか知らずに観ましたが、ぐいぐいと話に引き込まれました。
このままでは良くないことが起こるとわかっていながらも、この監督にかかると犯罪とか倫理とかの定義や優先順位が揺らいでしまい、一種の痛みを感じながらも見続けてしまいます。

女優の裸が美しすぎてエロくないのは『私が~』との共通点。
さて、本作のラストをハッピーエンドととるかバッド・エンドととるか。
また何かが始まりそうな“マルコとアリシア”というラストのテロップが効いています。

そう言えばバレエ講師役のジュラルディン・チャップリンは他のスペイン映画でも見かけましたが、スペインとは縁があるらしくスペイン語も堪能なんだとか。
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