マグロ

われわれは信じていたのマグロのレビュー・感想・評価

われわれは信じていた(2010年製作の映画)
3.7
ジュゼッペ・マッツィーニのイタリア統一運動(リソルジメント)に従事した3人の男の群像劇。
全4部構成。

リソルジメントの主要勢力はエマヌエーレ2世とカヴールのサルデーニャ王国、ガリバルディの赤シャツ軍、マッツィーニの青年イタリアとあるが、世界史を学んでいた頃は正直マッツィーニ全然役に立ってないやんけ!と思っていた。

青年イタリアの功績がわかるのでないかと期待してたが、やっぱりあんま役に立ってないやんけ!!という感想。
まあ、そういう運動をしたこと自体が大切なのでってことで……。

1,選択
イタリア南部のチレント地方出身の3人の若者が青年イタリアに加わった。貴族出身のアンジェロ、ドメニコ、農民出身のサルヴァトーレ。
アンジェロとサルヴァトーレはブルボン朝の要人を暗殺しようとするが失敗。
サルヴァトーレは帰郷し人生をやり直そうとするが、アンジェロは彼を裏切り者だとして殺害する。
「貴族は農民から油を奪っている」というサルヴァトーレと父親のやりとりが印象的。

2,ドメニコ
ガリバルディの義勇軍に参加したドメニコはブルボン朝に捕まり仲間と共に投獄される。
刑務所内で国事犯たちは論議を交わすが、ほとんどが王政派。共和政を望むドメニコは孤立ぎみに。
教育を受けてないために政治のことはさっぱりな農民たちとそれをナチュラルに下に見る貴族たちの構図が秀逸。

3,アンジェロ
一向に進まない統一運動に業を煮やしたアンジェロはオルシーニのナポレオン3世暗殺計画に協力することに。
決行当日アンジェロは警察に見つかり尋問にかけられる。暗殺計画は失敗に終わり、アンジェロとオルシーニはギロチンで処刑される。
結局殴られただけで全部ゲロっちゃうショボすぎるアンジェロが好き。

4,国家の夜明け
サルデーニャ王国による一応のイタリア統一が成された後、ひとり生き残ったドメニコはチレントに帰郷する。とっくの昔に家は没落していた。
彼はひとりの志高い若者に出会うが、彼こそは同志サルヴァトーレの息子であった。
ガリバルディはサルデーニャの中途半端な統一に不満を持ち、教皇領を獲得するため赤シャツ軍を組織。ドメニコとサルヴァトーレの息子も軍に加わる。
行軍の最中、赤シャツ軍はそれを良しとしないサルデーニャ軍によって弾圧される。
脱走兵だったサルヴァトーレの息子は処刑、ドメニコは再び一人となる。

ラストでようやく回収される「われわれ信じていた」が切ない。
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