ヴィクトル・エリセ監督作品。
1957年スペイン北部。少女エストレリャは早朝、犬がやたら吠えるのに目を覚ますと、枕の下に父の振り子があり、今までの父との生活を振り返るが・・・という話。
映像の美しさが際立つ。特に暗闇の中での仄かな灯りを使った撮影が美しかった。静かでほの暗い映画。
スペインの政治事情と親父の孤独。『ミツバチのささやき』と同じように、少女の視点から描かれ、スペインの内戦、スペイン北部南部の違い、親父の孤独感の理由の全貌は分からない。スペインの歴史を学ぶと読み解ける部分が増えていくような気がする。
静かな映画ながら、乳母ミラグロスが出るパートには暖かさを感じた。