ブタブタ

二十世紀少年読本のブタブタのレビュー・感想・評価

二十世紀少年読本(1989年製作の映画)
4.0
ストーリーでなくこの世界をただ楽しめばいいと思う。
昭和中期の日本、サーカスへの郷愁、寺山修司演劇で丸尾末広漫画的な(特に絵面が)世界。
祭りの見世物の「大イタチ」が板に血が付いて大イタチってインチキ見世物小屋、丸尾末広『少女椿』でも見たけど実際にあったのね。
この祭りの場面がモノクロの映像と相まって何とも言えないカオスかつノスタルジックで素敵。

三上博史演じるケガで脚が不具になりサーカスを出て放浪する「ジンタ」と桂三枝(現・文枝)のヤクザの親分の愛妾で知的障害者らしい少女「おもちゃ」との出会いから二人の逃避行。
ラストでまた円環を描く様にサーカス小屋へ戻って行くのもファンタジック。

林海象が脚本の『帝都物語』の直ぐあと辺りでキャストが可也被ってる。
『帝都物語』の辰宮洋一郎は三上博史で辰宮由佳里は「おもちゃ」を演じた佳村萌がイメージピッタリ。
佳村萌さんは本職はミュージシャンで俳優ではないみたいですが。
この映画約三十年ぶりに見返したのは恵比寿駅近くのギャラリー書店「シス書店」で『林海象 二十世紀少年読本展』をやるとの事で。
メインビジュアルになってる『二十世紀少年読本ポスターⅠ』がいい。
今回初めて見た。
三日月大サーカスの面々が川の立ち木(朽ちた橋の跡だと思う)と並ぶモノクロの写真。
ポスターは数種あり他には和田誠や篠山紀信て豪華である。
ブタブタ

ブタブタ