ひでG

禁じられた遊びのひでGのレビュー・感想・評価

禁じられた遊び(1952年製作の映画)
4.0
なかなか新規に観れない今日この頃、
かつて何回か観た、懐かしの名画の再アプローチをしてみる。

私たちの年代を「日曜洋画世代」と勝手に命名してみた😙

月曜、水曜、金曜、土曜、日曜とゴールデンで洋画をテレビ放映。
それぞれの枠に名物解説者がいて、吹替、CM、時にはバシッとカットもあったけど、
基本、家族と一緒に映画を知り、楽しめた良き世代。
ラジオでは淀川さんの名調子が聴け、洋画が本当に身近にあった時代。

そんな時に初めて観た名作シリーズ!

今回その中から数本をセレクト。

まずはその世代誰もが知ってる、観てる、聴いてるあの曲、あのラスト!

でも、これって、みんなが思ってるのよりちょっと厄介な作品かもしれない。
結構難解かもしれない。
ひょっとして、今初めて観る人は、「キョトン」かもしれない。
ラストで雑踏に消えるミッシェル、
「ママ〜」と初めて母の名前を呼ぶ。
そこにあの物哀しく美しい名曲が流れる。
そこは計算され尽くした素晴らしいラスト、ラストらしいラストの代表作だけど、
そこまでの話というか、大部分は、子供の遊び、しかも行き過ぎた遊び。

その「禁じられた遊び」とは、何ぞや。

幼い2人は、戦争や大人社会の喧騒から離れて、禁じられた遊びに没頭していく。

戦争なのに、いや戦争がららこそ、大人は子供の遊びなんかに構っている余裕かなかったのだ。

この遊び、命を使った、神様を使った遊び、
もちろん、良い?遊びではない、

でも、それを指摘することが大人たちに出来るのだろうか、
命をもてあそび、神をももてあそんで来た大人たちに、
この幼き子らの、ささやかな「禁じられた遊び」を責めることはできるのだろうか。

なんたる皮肉、なんたる冷たい目。

物語は、時代からも社会からも隔離されたファンタジーの世界から、前触れなく一気に現実社会に突き落とされる。
気が付けば、そこは現実の崖っぷちのような、いや、崖の底のような戦争ど真ん中。

あの子は一体どうなるのか、超現実を一気に突きつけて、物語は終わる。

いやあ、これはなかなかレベルの高い作品だったんですね、

テーマをあえて直接的に言わない、隠す大人の名画。

これを分かったような顔して大人たちに混じって毎週見ていた、しかも、淀川さんたち重鎮の解説付きで!

ある意味しあわせな時代だったのかもしれないの〜

おじんの回想録①
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