あばばば

2001年宇宙の旅のあばばばのレビュー・感想・評価

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)
3.7
きっと1968年当時に観たらあまりのアバンギャルドっぷりにくらくらしてしてたんでしょう。話の内容はわりとシンプルで、AIのシンギュラリティと人間の進化や神についてなんだろうなというのはなんとなく理解できた。でもやっぱり公開当時の背景や空気感を知らなきゃ物語のインパクトというのが完璧には出てこない作品なのだと思う。途中からきっとわたしはこれを受け取り楽しむだけの枠組みができてないんだなと、どことなく物足りなく感じてしまうだろうなという予感もしてた。当時のアメリカとソ連の競争や冷戦、宇宙やITへの展望、キューブリックの演出と価値観AIのシンギュラリティがこのときどれほど、新しかったことか……そういう当時の臨場感や空気感を初めから踏まえて作品を観るのは難しいんだろうな。そしてあらゆるSFやAIの話がこの映画の影響を受けていて、わたしはそうして生まれてきたものを楽しんできてる。だからこの映画を見ても、サイケデリックなデザインやインテリア以外に目新しさを感じられなかったんだろうな、と冷静に思った。ちょっと残念。でも今でも十分に”変”だし唯一だしメッセージ性もある。すごいのは十分わかるけど、ここでは観た後の、他のレビューや背景を踏まえたスコアをつけたくはないのでこの点数。
余談だけどこの映画とワンハリのリックとクリフが同年代なの信じられない……いろいろなジャンルの映画がこんなにせめぎあってたんだな、と思うしそう考えるとキューブリック映画ってめちゃくちゃ斬新で新しい…… 大旋風って感じだったんだろうな……そうしたアメリカンニューシネマのかたわらで去って行く古きTVスター……切ない……
アドアストラ観る前の予備知識の一環として鑑賞しました
あばばば

あばばば