全体的に映像がハイキーで映画っぽくない印象を受けたけど、だんだんと登場人物の渇きや満たされない感じがマッチしてるなと思うようになってきた。最後の方のミア・ワシコウスカの画が美しい。
互いに相手よりも、自分を優先してしまうようになった中年のレズビアン夫婦。愛し合っているんだけども、今にもすれ違いが生まれそうな危うい感じをそれとなく見せてしまうアネット・ベニングとジュリアン・ムーアがうますぎる。
家族を引っ掻き回すマーク・ラファロも色気があり、かつ完全な嫌な奴ではなくてキャラクターとして深掘りできてるのが見事。音楽の趣味とか、オーガニックのレストラン経営してたりとか、キャラクター描写の奥行きがあって脚本のうまさも感じた。
レズビアン夫婦だからという訳ではなく、純粋に家族としてのドラマを追求しているところに好感が持てた。