現時点で映画館で3回鑑賞。
なかなか言語化できず、でもそろそろ記録しなきゃと思い、まだまとまってはいないけど書き残す。
クリストファー・ノーランが過去作で行ってきた、時間と空間を超えたクロスカッティングの真骨頂。その壮大さは「インターステラー」が勝るが、関わる人物や出来事の複雑さは本作の方がすごい。ただ時系列で見せるのでは得られない、心を揺さぶる圧倒的なストーリーテリングの力。
中盤の山場である核実験の成功に向けて、すべての物事が悲劇的に進む。その加速を誰も止めることはできない。そして人類は、核兵器と共存する世界に生きることになる…。
アンサンブルの力がすごい。実力派揃いのメインキャストはもちろん、わずか1場面で登場するキャストも含めた全員が、相当な熱量と集中力で臨んでいるのが分かる。
クリストファー・ノーラン監督の、キャストに対する高い求心力は見事。
作品のテーマとして、反戦・反核であることは明らか。オッペンハイマーに対して同情する見方ができるのも確かだが、広島・長崎を経て今を生きる私たちに対して強烈な問題提起になっている。
