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共犯者のblacknessfallのレビュー・感想・評価

共犯者(1999年製作の映画)
3.1
ユーヤさん目当てで録画しといたやつ。

「あの人出会って私の人生は変わった」
小泉今日子がオープニングで回想する。

そのあの人とは竹中直人演じる、日系ブラジリアンマフィアのドン・カルロス。
とにかくすごいヤツって設定。
これシリーズの続編のようで、カルロスが凄いってことは出てくるヤクザ連中はみんな知ってることになってる笑 おれは知らなかったから戸惑ったよ。

それにこのカルロス、終始キザでハードボイルドに決めてるんだけど、何故かセリフ回りがまんま仁義なき戦いの文太さんなんだよ。
日系ブラジリアンマフィアでハードボイルドなのに「じゃけんのぉ~」「じゃけのぉ」を連発してむちゃくちゃ変だったよ😂

そんなカルロスは日本のムショを出所(前作の事件で逮捕されたらしい)して早々地元の巨大ヤクザ組織と一億の金をめぐるトラブルになる。
平行しDV夫に日々ボコられる平凡な人妻、聡美(小泉今日子)と友情以上恋愛未満の関係になる。
小泉今日子、ビビるほどかわいかった😍 しかし、その分、DVで身も心もぼろぼろみたいな設定には何も説得力がなかった笑

カルロスと聡美は巨大ヤクザに打ち勝てるか?そして2人の関係はどうなるのか?

こーゆーノワール調の男と女の逃走劇みたいのは鉄板の設定だし手堅くやればそんなにつまらなくはならないはずなのに、これは異様につまらなかった、、

まず、もともとVシネらしいんで、出てくるヤクザが思いっきりVシネ演技でストーリーと全然合ってないんだよ。
それと1999年製作だからなのか、アクションがタランティーノやジョン・ウー、雰囲気をジョニー・トー辺りをバリバリに意識しまくった動きや構図が頻出するんだけど、それが全て出来の悪いパチモンって感じのクオリティで徐々にゲンナリしてきた、、
これなら無理せずVシネのノリに統一するか、本当に頑張って海外のクライム・アクションの模倣に振りきるか、どっちかにしろ!って思ったよ笑

おでんに無理やりフォアグラとか入れたようなわけの分からない変な料理を食わされた気分になった、、笑

あ、でも、ユーヤさんはよかったよ。
カルロス暗殺をヤクザに依頼された殺し屋、エルダー・ギリヤーク役。
何が良かったって"ブラックレイン"の松田優作みたいな映画のセリフを連発するんだけど、英語の後に同じことを日本語で言い直す親切設計の演技がおもしろすぎたよ笑
「ユー・ファッキン・リアリー・プア・ボーイ」の直後に「おまえもかわそうな男だなぁ」
終始この調子でカッコつけてるのがおかしすぎた笑
9割方「ファッキン」が英語のセリフの時に入ってるのもユーヤさんらしいと思った。"十階のモスキート"でも自分が脚本した"コミック雑誌なんかいらない"でも「ファッキン」て言ってたし、これはユーヤさんのアイディアなんじゃないかと思う。
そんな感じなんでカルロスとの戦いに負け死ぬ時も、葉巻をつけてくれと懇願し、「ディス・イズ・マイ・ファッキン・ラスト・ウイッシュ」「俺の最後の望みだ」と親切に和訳付き笑

たぶん、ユーヤさんは優しいからVシネファンは英語に弱いと思って、この親切設計の演技してくれたんだと思うよ!

まあ、観てよかったよ、ユーヤさんファッキン・グレート!

あと、聡美(小泉今日子)の回想で始まるから聡美は生き残って、聡美の回想で終るもんだとばかり思ってたけど、途中でユーヤさんに殺されちゃうんだよ笑
この展開、かなり珍しいと思う。オープニングで回想した人が途中で死ぬ展開 "レジェンド 狂気の美学"しか思いつかないし😬
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