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スーパーマン III/電子の要塞のblacknessfallのレビュー・感想・評価

4.0
マイ・ベスト・スーパーマン映画。理由は後述するぜ🦸‍♀

本作の敵は大会社の貿易商ロブ・ウェブスター、ヴェラ・ウェブスター兄妹。
この二人が失業者だったガスという男のコンピュータの才能を見抜きハッキングをさせる。才能に目覚めたガスはスーパーコンピューターを作り、市場操作から気象衛星等あらゆるものを支配するガスとウェブスター兄妹だったが、スーパーコンピュータは自我を持ち始め暴走していく…

1983年らしいコンピュータの万能感が今見ると微笑ましい。この時代ぐらいからだよね。コンピュータが色んな映画でフックされるようになったの。ホラー映画でいじめられっ子がコンピュータで悪魔を召喚する『デビル・スピーク』とか笑
オリジナル・スーパーマンヒーローは一貫して資本(の暴走)を悪として描いて、その象徴がレックス・ルーサーだったんだけど本作はウェブスター兄妹になってる。ルーサーでも可能な設定なんでジーン・ハックマンのスケジュールが合なかったのか?
そしてスーパーマン🦸‍♀はロイスとのラブコメだが、本作ではロイスは殆ど出てこない。変わりに高校時代の同級生ラナとラブコメになる。クラークの同窓会のレポから田舎の現実をルポする企画で再会する。前作でスーパーマン🦸‍♀の力を捨ててまで一緒になろうとしたロイスがいるのにあっけらかんとラナにハマる笑 この屈託のなさが魅力と言えば魅力だよな。無邪気なボンボンのような笑 それとクラークはトップ記者て設定なんだけど企画がしょぼくないかな?文化部なのか?美味しんぼの山岡的な笑

3作目にしてかなり異色な展開になるんだけど、これは前作から引き続きメガフォンを撮ったリチャード・レスターが自身の持ち味であるオフビートでブラックなユーモアセンスを解放したからだと思う。
オープニングなんてピタゴラスイッチ、ファイナルディネーションばりのドタバタアクションで埋め尽くされてるし笑 中でも盲導犬と逸れた盲人が大きな絵画をぶち破るとかヒーロー映画にあるまじきジョークで「本当にスーパーマンなのか?」て気持ちになった。笑えるんだけど、やっちゃダメなやつだろうと笑

オープニングからこんな感じだから段々悪ノリが加速して1作目のようにクリプトン星の物質で攻撃を受けた後遺症でスーパーマン🦸‍♀から良心が消える。
それでどうなるかって言うとラナとイチャつきたいから事故現場にギリギリまで行かず着いたら全てが終わったあと。それを責められるとスネてピサの斜塔を垂直にする。バーで泥酔して🥜ナッツをスーパーパワーで弾き酒瓶🍾を破壊、ビームで店舗を傷つける蛮行に及ぶ笑 さらにはロブの愛人であるセクシーダイナマイツのローレライに誘惑され、彼らの悪事に加担してしまう。しかもメロメロになってローレライと一線を超えてしまう😂🔞
このらクズ・スーパーマン🦸‍♀シーンがおもしろ過ぎるから本作がマイ・ベスト・スーパーマン🦸‍♀なんだよー😆 久しぶりに見ても笑える🤣

こんな内容でも正統派ヒーロー映画なんでスーパーマン🦸‍♀はクズから脱して悪を討つわけなんだけど、正気に戻るシーンが画期的。
クズ・スーパーマン🦸‍♀からクラーク・ケントが分裂して二人が戦う。場所が車のスクラップ工場なのが侘びしくて笑える。
クズ・スーパーマン🦸‍♀に何度叩きのめされてもしつこく立ち向かうクラーク、やがてクラークが勝利しスーパーマンが正気に戻る。
スーパーマンの中の善と悪の葛藤に見立てる演出。これが今見るとやたらと長いグダグダの殴り合いが『ゼリ・リブ』のサングラス🕶ファイトのようだし、ある観念が具現化してもう一人の自分になり、それと戦うとこが『ファイト・クラブ』なんだよ。ブラックで笑えるだけじゃなくて先鋭性があるんだよな😏

なのでやっぱり改めて観ても本作はサイコーのスーパーマン🦸‍♀だ😬💨
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