ガブXスカイウォーカー

ゴジラVSスペースゴジラのガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

ゴジラVSスペースゴジラ(1994年製作の映画)
3.5
1994年当時はガッカリしたけど、今回、数十年ぶりに期待せずに観ると、これがけっこう面白い。
今までサブキャラ(?)レギュラーだった三枝未希(小高恵美)をメインヒロインに配し、硬派な熱血漢・新城功二(橋爪淳)とちょっとしたラブストーリーもある。その周囲は、新城の相棒でちょっとちゃらい佐藤清志(米山善吉)、『ゴジラ対ビオランテ』で殉職した権藤吾郎の敵を討とうと躍起な結城晃(柄本明)、悪役の大久保晋(斉藤洋介)などで固めている。柏原寛司の脚本はステレオタイプなキャラが目立つが、王道なドラマは悪くない。
山下賢章監督の演出も手堅く、川北紘一の特撮は安定している。
怪獣たちも、当時はスペースゴジラはゴジラのコピーだし、MOGERAはカッコ悪いと思ったけど、現在はこれはこれでありと許せる。
今思うと、僕は平成ゴジラシリーズ公開当時は1作1作に対する期待値が非常に高く、リアリティよりも自由な発想によるエンターティーメントを優先した作風を酷評しがちだった(昭和ゴジラも自由な作風だったんだけどね)。
でも公開当時子供だった者たちには平成ゴジラ作品とその怪獣たちはずっと絶大な人気を誇っており、近年ではネットや雑誌『特撮秘宝』などで再評価もされている。長年に渡って続くシリーズ(ウルトラマン、仮面ライダー、戦隊、ガンダムなど)は当たり前のことだが、世代によって作品への評価がかなり違う。本作は今回の鑑賞でそれをあらためて認識させてくれた。かつて駄作認定した作品を観直すのも新たな発見があっていい。