方眼

栄光のランナー 1936ベルリンの方眼のレビュー・感想・評価

4.0
2016年”Race”。最初と最後に原題タイトルが出るが、観終わってダブルミーニングであることに気づく。黒人陸上選手ジェシー・オーエンスの伝記。米国内での差別、コーチとの出会いと共闘、妻との関係、成績、ナチス支配下のオリンピックを巡る問題、出るか出ないかはギリギリまでいろいろある。会話シーンの切り返し、イマジナリーラインの取り方にクセがあり撮影と編集が少し気になる。エピソードは手堅く盛り込んであり、中盤まではTVドラマの総集編感も。コーチとの会話はシナリオが良く、娘のこと聞いてない、助けたお礼など、言われたことを言い返して関係が深化。オリンピック当日からはカメラワークも計算、入場からスタートライン、回転する絵、手前のジェシーと向こうの方に小さく見えるヒトラーたち。ゲッべルス、リーフェンシュタールなどこの話に定番の脇役たち。IOCがらみはウィリアム・ハートとジェレミー・アイアンズでビシッと固めて。とにかくオトコマエのカール・ロングを経て、やっぱり全てがスポーツに収斂する瞬間を描けている
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