てるる

栄光のランナー 1936ベルリンのてるるのレビュー・感想・評価

4.3
一言で言えば、素晴らしかった。

ジェシー・オーエンスというアスリートを知ってる人がどれくらいいるだらうか。
こんな凄い選手がいたことを少なくとも私は知らなかった。そもそもベルリンオリンピックがこれだけナチス主導の下で実行されたことすら知らなかった。

ジェシー・オーエンスはアメリカの陸上選手だが、アメリカではいまだ黒人差別が根強く残り、ドイツではユダヤ人迫害が始まっていた時代。
この映画は前半はジェシーの差別をはね除けて成長するパート、後半は歪なかたちで行われたオリンピックでの活躍が描かれる。
そこへ師弟関係や家族関係、オリンピックのボイコット問題、選手同士の友情などを盛り込んでるのでかなり見応えがある。

特に師弟関係が凄く良かった!
コーチ役のジェイソン・サダイキスはモンスター上司とかコメディでしか観たことなかったので最初は違和感あったけど、観終わった時にはハマり役だったと思わされた。
そしてもうひとつ忘れてはならないのが、ドイツ代表選手のルッツ・ロング。スポーツマンとしても、人間としても素晴らしい人で、ジェシーとの友情は泣ける。

惜しむらくはオリンピック前にこれを観なかったこと。これ観た後だったら、たぶんリオにどっぷり漬かってたと思う。
てるる

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