綾

若草物語の綾のレビュー・感想・評価

若草物語(1994年製作の映画)
5.0
ああ、また宝物のような映画を見つけてしまった…幸せです。

『若草物語』は絵本でしか読んだことがないので、是非とも原作も読まなくちゃ。

鑑賞中、槇原敬之さんの「僕が一番欲しかったもの」が脳内再生されていた。人生で「一番素敵なもの」は、「素敵なもの」を拾うことではなく、それを誰かに譲ることでその人が幸せそうに笑っているのを見られたときの気持ちだと歌った曲なんだけど、互いを支え合うマーチ家の人々を見ていると、本当にそうなんだなと確信できた。なんて愛に満ちてあたたかな場所なんだろう。
マーチ家ほど徳の高い生き方をしていないけれど(笑)、私の家族も、どんな時も味方でいてくれる。家族っていいな。有難いなぁ ほんとうに。

それにしても、なんでこんなにうっとりして、懐かしさでいっぱいになるんだろう。鑑賞中、ずっとずっと満ち足りた気持ちでした。個性を輝かせる美しいマーチ家の四姉妹も眼福。はぁ、素敵。

私は、物語には辛い現実や絶望を受け容れてくれる力があると信じていて。ジョーが深い悲しみの中で、過ぎ去った愛おしい日々を綴る姿に熱いものが込み上げてきた。物語に託すことで、人は悲しみをなんとか受け止められるのだと思う。そして、そうした切実な想いの込められた物語には魂が宿って、多くの人の心を救うんじゃないかな。
私もこれまで、どれほど多くの物語に救われてきたことか… 本作も間違いなく、私をこれからも支え続けてくれる物語の一つになりました。

ああ こんなに美しい映画に出会えて嬉しいなぁ。幸せだなぁ。
綾