監督が、獄中から指示と演出を出して撮影をすべて済ませた後、亡命し、スイスとフランスで編集したという作品。
刑務所の中から仮出所で出てきた5人の囚人のお話。
この時期のトルコは軍事政権が発足し、軍が強い力を持っていた。
既存の国の法律、その場の軍部の人間の命令、さらにはイスラームの戒律に、ギッチギチに縛られた人たちにとっては、看守の言うことを聞いておけばよい刑務所は、外の世界よりも住みよい場所だったのではないか。
ところどころで見せる、その場のものとも、意図的に後入れしたものともつかない、音の企みは面白かった。
イラン映画よりも、男尊女卑を強く感じた。ほぼセミヌードみたいな女性も出てくるし、同じイスラーム圏でもかなり違う。