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炎の少女チャーリーの一人旅のレビュー・感想・評価

炎の少女チャーリー(1984年製作の映画)
5.0
マーク・L・レスター監督作。

2022年6月にはリメイク版が日本でも劇場公開された、アメリカが誇る現代ホラーの大家:スティーヴン・キングによる1980年発表のSF小説「ファイアスターター」の最初の映画化で、撮影当時9歳のドリュー・バリモアが炎属性の少女を熱演します。音楽はドイツのタンジェリン・ドリーム。

政府の人体実験により超能力者となった両親のもとから生まれた、自然発火能力を有する少女チャーリーとその父親が、少女の能力を利用しようとする政府組織の魔の手から逃れるべく奔走する姿を描いたSFスリラーで、共に能力者である父娘の逃避行と狡猾な政府組織との攻防のゆくえをスリリングに描き出しています。

同じくキング原作『キャリー』(1976)との共通点を見出すことができるSFスリラーで、本作の特に出色な点は少女チャーリーによる人体発火描写にあります。チャーリーの髪がふわっと浮き上がる発火直前の演出が上手ですし、自分たちを狙う敵の人間を次々と火だるまにしていくシーンが鮮烈です。そして、クライマックスでチャーリーが放つ“ファイヤーボール”の火薬量満点のSFXと阿鼻叫喚の光景がインパクト絶大となっています。

少女チャーリーを演じたドリュー・バリモアが抑制の利かない能力に向き合う大人顔負けの名演を魅せていますし、狂気の殺し屋に扮したジョージ・C・スコットの怪演も高得点です(マーティン・シーンの存在感が霞みます)。
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