らんらん

歌行燈のらんらんのレビュー・感想・評価

歌行燈(1960年製作の映画)
3.5
事前に1943年版を見た上での鑑賞なので基本のストーリーはバッチリ!
なので違いを比較しながらの鑑賞です

【あらすじ】
基本は同じ
芸によって人(荒木忍)を死に追いやってしまった喜多八(雷蔵)は勘当され
そのトラウマに悩まされながらも放浪の旅を続け
偶然再会した娘(山本富士子)に贖罪することでお互いに救われ
最後は父親(柳永二郎)にも認められて勘当を解かれるまでの物語

【感想というか比較】
細部はかなり違う、あえて変えてるんでしょうね

大きく違うのは
喜多八とお袖のロマンスシーンがメインってくらい増えていて、戦前版では相方だった次郎蔵はキャラクター自体が存在しない

そもそもクレジット順からして山本富士子がトップで、市川雷蔵はトメって感じなのでお袖さん視点、お袖さん中心の構成になってると思う

そのおかげか戦前版では気付かなかったこと、理解が増えたところもあります
戦前版のお袖さんは単にどんくさくて不器用で芸が出来ないって感じだったけど
今作では芸をすることにトラウマがあるって感じ
父親が中途半端な芸により身を滅ぼしてしまったからそのトラウマで稽古に身が入らないの

森での連日稽古最終日にすれ違いドラマをもってくるのはちょっと強引、都合がいいかなぁとは思う

まとめ!
これはこれで悪くないけど、比較しちゃうと落ちるか
戦前版のあっさり感、おじいちゃんコンビのかけあいが良かっただけに
こちらはよく言えば丁寧だけど悪く言えば蛇足にも感じるし
ラブロマンス風にしちゃったことで現実味がないというか、、、戦前版みたくほんのりが良かった!
お袖さんあまり苦労してるように見えないんだもん、山田五十鈴のあの儚さ、可憐さとは違うよねー
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