先日のテルマ&ルイーズ観賞からの思い出しレビュー。
アメ車を駆るやさぐれ感がカッコよかったスーザン・サランドン。
そのナイスなプロポーションは、ロッキー・ホラー・ショーのときのままで見事でござった。
フルター博士を久しく観ていないくせにレビューする暴挙。それでよいのだ。
ストーリーを論評する作品ではないでしょう。
鬼畜を礼讚する気など毛頭ないし
倒錯した異空間は、有象無象すべてに向けられたアンチテーゼなのだから。
当方がこの世に「オギャア!」と生を受けた年に公開されたこの怪作は、
観た者を皆「ウギャア!」とおののかせたことだろうなあ。
かつて「有害」とされてきたロックンロール。
いまや、カウンターカルチャーとしての役目を終えた感もあり、
その機能、効能を失った現代の商業ロックに触れることはただの消費でしかないが、
転がり続けた岩は角がとれてしまったのか???
そうだとしても、ロックがロールするからには、壊しながら、潰しながら
ビートを刻んでいってもらいたいのである。
いまなお高い支持のある本作。
それは安定ではなく、角を残したまま
人々の上を転がり続け、さればこそ皆が「ウギャア!」となれるわけですな。
退廃的な耽美。
グラマラスなバイオレンス。
当時の日本人だと絶対にポップな表現にはできないところに、UKの美的センスと音感のポテンシャルをみる。
フルター博士=ティム・カリーのファッションショー
リチャード・オブライエンのフリークスな造形
この猥雑さは、グラム本家ボウイやマーク・ボランよりも、アメリカのバンド、ニューヨーク・ドールズと同じ匂いがして、たまらなくダサカッコいい。