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ソフィーの選択のhokaのレビュー・感想・評価

ソフィーの選択(1982年製作の映画)
3.2
この映画は回想シーンから始まる後半60分に集約されている。

それまでは小説家を志す若者スティンゴによる客観的視点で、階上の少し風変わりなカップルとの交友の日々が描かれ、徐々に嘘で隠されていたソフィーの過去が明らかになってゆく。

クラインの精神的不安定さが生き残ってしまった自責の念ではなく既に10歳から発症していたのであれば、ソフィーにはそれに贖う責任はなく、自分の子供を助けられなかった代償行為としてユダヤ人のネイサンに愛情を傾けたのかも知れない。

ソフィーに迫られた選択が小さい方の娘であった理由は判然とはしないが、極限状態の環境下で二人のうちの生存の可能性を本能的に選別したとも考えられる。
子供達に与えられるべき加護を自分は果たせないのだから。

M.ストリープのtrilingualの演技とアウシュビッツでの鬼気迫る囚人の演技は、確かにアカデミー賞に値すると思うが、ネイサン役のK.クラインの豹変する分裂症の演技も見応えあったと思ったら、この四年後にアカデミー賞を獲っていた。

Ample make this Bed
Make this Bed with awe
In it wait til Judgment break
Excellent and Fair

Be it Mattress straight
Be its Pillow round
Let no Sunrise yellow noise
Interrupt Ground

最期の二人の姿はむしろ、現世の苦悩から解放されて安らかに見えた。
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