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シックス・デイのしゃにむのレビュー・感想・評価

シックス・デイ(2000年製作の映画)
3.4
筋肉忍法☆肉分身の術。

クローン技術によりシュワちゃんが2人(頭?機?体?数え方がわかんない)現れるSF映画。生命倫理というお堅い(筋肉も)テーマなのに関わらずこうも見易いのは相変わらずの己を貫き通す乱暴な役作りで映画に臨み、いつものシュワちゃんの映画だという安心感があるからでしょう。一般人という設定なのでコマンドーの独りノルマンディーのような目立ったアクションは少なめ。だけどプロの殺し屋を廃業に追い込むほどの戦闘力は兼ね備えているのでご安心を(さすがだ大佐ァ…)。

設定は2010年と意外に近い未来です。クローン技術がタイムリーだったから便乗してテーマに取り入れたのかもしれません。

この世界では人間のDNA解析がすでに完成していて、シンコードと呼ばれる心の情報とDNAがあればその人のクローンが作れます。もちろん倫理的な観点からクローン人間は禁止されています。しかし一部の人間はクローン技術を金儲けの道具としています。ペットの複製、病気の肉体の代替、そして自分のクローン…クローンにはシンコードで自分の精神を移すことが可能です。不老不死だってもはやおとぎ話ではありません。

しかし魔法のような便利な道具が現れると軽んじられるものが出てきます。

「でぇじょうぶだ、ドラ◯ンボールで生き返れる」

とでも言う感じに。確かにそうだけどなんかずるくないかな…命ってそんな軽い存在かな…神に近づいた科学者は理想を声高に語ります。人類の夢だ、英知の結晶だ。対してシュワちゃんは呆れるほどシンプルな即座に反論します「お前は悪だ」と言って。正義のヒーローという立場上そう言わずにはいられないのは当然です。だけど圧倒的に正しいと思える考えです。筋肉論破もたまには的を得ています。テクノロジーが進歩しても人間の倫理観が進歩しなければ本末転倒です。
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