おけい

オーバー・ザ・トップのおけいのレビュー・感想・評価

オーバー・ザ・トップ(1987年製作の映画)
3.8
パピィ役のスタローン💕が新鮮。

ロッキーシリーズでも息子はいたけど、父と子の絆に焦点を当てている本作。生活レベルも真逆な初対面の父と子であるがゆえゼロどころかマイナスからスタートである点が見所であるでしょう。

病気の母親に代わり生き別れた息子の卒業式に学校に迎えに行くリンカーンホーク(スタローン)。母方の祖父に育てられた息子は典型的なボンボン、インテリ頭でっかちの可愛くない男の子(笑)。ワイルディなトラック野郎のリンカーンは初対面から息子に嫌いと言われる始末。困り顔のスタローンが可愛いくて萌えポイント。息子に何を言われても一つ一つの言葉に丁寧に向き合う父。ここのあたりのシーンでリンカーンホークという男の人物像が浮き彫りになる。

うまい脚本だ…。ロッキーの時も思ったが丁寧に人物像を描くことで自分をスクリーンの中でいかに活かすことができるのか、スタローンは充分にわかっている。

(嫌い)からスタートの息子とのロードムービー。リンカーンの人柄や初めて見る父の強さに触れ雪が徐々に解けるように心を開いていく息子。

ヒュージャックマンの『リアルスティール』そのまんまなんだけど、この『オーバーザトップ』の脚本はスタローンが手がけているわけで、やはりスタローンの脚本家としての才能は認めざるおえない。

ロッキーを彷彿とさせるアームレスリング世界大会の試合のシーンも言わずもがなの名シーンですが…私は留置所での金網越しの父と息子の会話のシーン。あのシーンが一番の名シーンだと思っています。息子の親権を諦めなければいけない状況。息子自らの意思を知った時のスタローンの演技に注目してほしい。素晴らしい演技だった。
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