「姉の為に人生を捧げるのはもう嫌。これ
から私は私の人生を歩んで行きたい」
重い白血病を患う姉への臓器提供を拒否す
る11歳の少女。あくまでもドナーとしての
務めを求める母親に対して起こした突然の
〝反乱〟。血の繋がった母娘が法廷で互い
を罵り合う前代未聞の事態が巻き起こる。
姉のことが大好きなはずなのに妹はなぜ非
情とも言える決断を下したのか…
人は生まれながらに決して逆らうことの出
来ない運命を背負っている。自身や大切な
人が過酷な病魔に襲われ苦しみに喘ぐこと
もその一例だ。悲しみや絶望に負けてしま
いそうな心を励まし支えていくのは並大抵
なことではない。それでも家族だからこそ
出来ることがある。精いっぱいの愛情を注
ぎ温かい目で見守り気持ちに寄り添うこと
で生まれる一体感。私は生まれてきて良か
ったと心から思えたなら素晴らしき人生だ
と言えるだろう。
人が人に捧げるたくさんの愛に接した。失
いたくない人がいる。時に優しく時に厳し
く見守る家族一人一人の思いに触れて胸が
詰まった。誰が正しいとも間違っていると
も言えない。確かなことは共にかけがえの
ない時を過ごしたこと。
本当にたくさんたくさん泣かされてしまっ
た。
家族を愛するすべての人に見て欲しいと思
える作品でした。