原作もドラマも未見。
でも涙腺キラー・重松清さん原作の映画は
とりあえず劇場で観たいと思い足を運びま
した。
もう、めっちゃ泣きました(T-T)
多分140分で描く内容では無いのでしょう。
ダイジェスト感も正直あります。
それでも得られる「いい映画を観た」とい
う満足感、心地よさ。
その理由の一つには過去と未来を行きつ戻
りつする描写の巧さ。これは駆け足感を薄
める効果があったと思います。
そして何と言っても主演の阿部寛さんの魅
力の賜物でしょう。全身から溢れる力強さ、
そして優しさ。絵に描いたような昭和の頑
固オヤジを見事に体現していました。
トンビの様に自由気ままに空を舞っている
様に見えつつ実際は雛が無事に育つ様にし
っかりと巣を見守っている。そんな父親の
威厳、偉大さを感じ取りました。
その反面、弱さとだらしなさも併せ持って
いる。
いいんです。全部ひっくるめて人間であり
父親なんです。それを支え合うのが家族な
んです。完璧な人間なんてこの世にいない
のです。不完全だからこそ助けようとして
いたわりの気持ちや優しさが芽生えるので
す。
子供の頃に父親と一緒に遊んだこと、怒ら
れたこと。歳を重ねた今はその記憶の全て
が本当に愛おしい( ; ; )
父親のいない人はこの世に存在しない。
だからこそ全ての人の胸に響く作品ではな
いか。
中には父親の記憶が無い人。また思い出し
たくも無いという人もいるでしょう。
でも例えそうであっても「父親とは何か」
「家族とは何か」を改めて考えるきっかけ
になる作品ではないでしょうか。
若い人であれば自分もいずれ父親になるか
もしれないのだから…