いなだ

書を捨てよ町へ出ようのいなだのネタバレレビュー・内容・結末

書を捨てよ町へ出よう(1971年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

原作未読だが、映画にしかできないメッタメタのメタ的演出。最初の語りかけで映画を観ている自分を意識させらされ、最後の語りかけで自分の観ていたものが映画であることを意識させられる。

またレイプシーンがあってしんど……。でも内容も表現も尖ってて、実験的で前衛的で二時間以上あるのに何故か観られる映像になってる。主人公の相手をした娼婦の名前が妹と同じなのは主人公→妹の近親愛の仄めかしにも感じるし、性的な男性らしさの強調や男同士の同性愛の挿入は主人公→先輩の同性愛の暗示にも感じる。だとするとあの結末は耐え難いな、……違う意味で主人公にとって耐え難い可能性もあるが。

ガラス瓶の中のトカゲ、成長して出られなくなった。
終盤、「映画は明かりがつけば消えてしまうんだ」的なことを言ったとこで、マジで劇場の電灯がついてびっくりした。 “映画である”ことに意識的な映画すぎる。さいなら、映画!さいなら!
エンドロール、名前出す代わりに次々に演者の顔をぐるぐるとアップで映すの、なんか迫力あった。
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