上海十月

書を捨てよ町へ出ようの上海十月のレビュー・感想・評価

書を捨てよ町へ出よう(1971年製作の映画)
3.5
これも観たような観てないような作品のひとつ。いろんなところで語られている映画なので観た気になっているのかもしれない。観て思うのは、寺山修二の詩を映像化するとミュージックビデオのようになるのだと。冒頭から「俺の名前はよー」と叫ぶ青年。そして世のいろんな風俗が出現、当時のタブーをこれでもかと見せる。これが当時は最先端だったのかもしれない。70年代を切り取っているだけでも貴重な映画かもしれない。美輪明宏が風呂の中にいて腋毛が生えてきて叫ぶというエゲツナイ。ところどころ、その後のバラエティの原点のようなゲリラ撮影もあり、寺山修二ごった煮でしょうか。そんな中、青年が夢想する人力飛行機が印象的だ・ATGという場がなければ作れない映画だ。そして日本映画が急激にエンタテーメントから遠ざかるきっかけになった映画にも思える。そのこと自体が悪いわけではないがわかる人しかわからない時代に日本映画突入したと感じます。
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