LEONkei

ジョアンナのLEONkeiのレビュー・感想・評価

ジョアンナ(1968年製作の映画)
3.0
ロンドン王立美術学生〝ジョアンナ〟はキュートでポップなガールズファッションに身を包み、自由奔放で今を生きる。

こんな美大系女子は自分も学生の頃に接してきたが、着たい服を着る・したいヘアスタイルやメイクをする・聴きたい音楽を聴く・行きたい所へ行く…。

当時はそのド真ん中にいたせいか、その創造性や自由奔放さに自分も含め互いに刺激を与えあった。

ファッションも含めあらゆるデザインは新しい自由への創造で、次世代の扉を次々と開く魔法のツールでもある。


主演のジョアンナ役〝ジュヌヴィエーヴ・ウエイト〟はコケティッシュな魅力と、ファッションやメイクなど'60年代の〈スウィンギング・ロンドン〉カルチャーを堪能できる。

大人になる一歩手前の女の子の複雑な気持ちと葛藤を描きながらも、サラリと明るく描いているので深みは全くないが言っている事は良く分かる。

この手のガールズムービーは当時各国で多く製作され混沌とした東西冷戦の世界情勢を背景に、ストーリー性を重視するのではなくカルチャーを味わう軽い気持ちで観ると楽しめる。

バロック様式が古典主義への反抗だったように、ジョアンナも大人社会へ細やかな抵抗を見せたのだろう。

それはファッションやデザインに表現され、若い時ほど人生は長いものだと思われがちだが、本当は生まれてから死ぬまでなんて一瞬の出来事。

人生は短い、やりたい事をやって日々楽しく生きる事が大切なんだと。

好きなタイプの映画だがイマイチ高い評価を得られないのは、音楽が良くない…と言うか効果的な音楽が使われていないのが残念。

ラストの駅のシーンは何だかココロが和みホッとする..★,
LEONkei

LEONkei