睡蓮

早春の睡蓮のレビュー・感想・評価

早春(1970年製作の映画)
4.7
寡聞にして恥ずかしながら監督も作品も存じ上げなかったんだけど、恵比寿ガーデンシネマのサイトで予告編を観て、DVDにもなってないようなのでこれは観たほうがいいと思ってでかけていった。
これが大正解!
もうポスターからしてかっこよすぎる。
プールの水の青に、そこに黄色の文字で原題。
何故邦題が早春になったのかはわからない。
ポスターに使われているこのシーンが映画の中でも1番好きなシーン。本当に美しすぎて…。
作中でもこの文字の黄色がとても効果的。
そして赤。
赤はこの映画の1番重要な色でもあって、最初から最後まであらゆるところに差し込まれる。
舞台が公衆浴場であることから、水中のシーンが本当に素晴らしく、この作品があらゆる水中シーンの元祖なのかしらと思ったり。
音楽の使い方もすごくうまいのだけど、CANが参加しているとあとで知ってまたびっくり。

そんなんで、映像と音楽がスタイリッシュであれば全てオッケーみたいなところがあるめっちゃ自分好みのかっこよさだった。
ストーリーは15歳の男の子が年上の奔放な美少女に盲目的に恋をするって、基本はただそれだけ。
ただそれだけなのに、こんなに面白くて笑えたり、さらにかっこよく撮れるってすごいセンス。
映像云々だけでなく、ジェーン・アッシャーの可愛さもたまらなかった。
可愛いだけじゃなく、男に対して啖呵をきるシーンも笑えるほどに清々しい。
そしてジョン・モルダー=ブラウンの美少年ぶりにも見惚れた。

終演後、ラッキーなことに批評家の廣瀬純さんのトークを聴くことができた。
色彩と暴力の話ですごく興味深かった。
キネ旬にも早春の批評を少し書いているそうです。
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