しゅう

早春のしゅうのレビュー・感想・評価

早春(1970年製作の映画)
4.0
字幕版を鑑賞。

初めてのアップリンクは、ロッキングチェア的な座席が座り心地抜群で嬉しい。

よくある「童貞拗らせ青春空回り映画」では、主人公はモテない、カッコ悪い、イケてないなど平均以下の存在で、その事にコンプレックスを抱えている。

そして、そんな男がそれでも必死に性愛を求めるところに、こちらも平均以下の観客としては、おかしみと共感が生まれる。

ところが、この映画での主人公である少年マイクは両親に愛情を持って育てられて真っ直ぐ成長し、しかもかなりの美少年で同年代や歳上の女性達にも普通にモテる。

こういう、自分が無条件で愛される存在である事を無自覚に肯定している人間が、いざ自分の愛情が受け入れられない事態に遭遇するして暴走する様は、おかしみよりも痛々しさと醜さを感じる。
しゅう

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