ぶみ

ナイル殺人事件のぶみのレビュー・感想・評価

ナイル殺人事件(1978年製作の映画)
4.0
絶対に結末は教えないでください!

アガサ・クリスティが上梓した『Death on the Nile(ナイルに死す)』を、ジョン・ギラーミン監督、ピーター・ユスティノフ主演により映像化したイギリス製作のミステリ。
名探偵エルキュール・ポアロが乗った豪華客船で殺人事件が発生、犯人を見つけ出す姿を描く。
2022年公開のケネス・ブラナー監督による同名作品は鑑賞済み。
主人公であるポアロをユスティノフが演じているほか、ミア・ファロー、デヴィッド・ニーヴン、ジョージ・ケネディ、オリヴィア・ハッセー、ジェーン・バーキンといった往年の名優が登場。
物語は、一部地上のシーンがあるものの、基本はナイル川を行く豪華客船を舞台として展開し、ミステリの核となる部分は2022年版と同じ。
観ているうちに、途中から誰が犯人なのか思い出したのだが、ポワロがいかに追い詰めていくかのアプローチを楽しむことができたため、その結末を知っていても大丈夫だったのは、本作品の完成度の高さが成せる技。
特に、2022年版は、背景となるエジプトの景色が何故か合成感が強かったのが気になった反面、本作品はCG夜明け前の時代らしく、そんな違和感は一切なし。
また、『タワーリング・インフェルノ』や『キングコング』といったアクション作品のイメージが強いギラーミン監督が、本格ミステリを手掛けていたのは意外なところ。
そもそものプロットが優秀なことから、フーダニットのみならず、製作年代による差異や、キャストの性格付けの違いが楽しめ、映画史に残るミステリとして語り継ぎたい良作。

危険な旅が、あなたを待っている。
ぶみ

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