本作はセレブなエグダール一家を描いた群像映画ということで、主人公を取り巻く環境の細かな描写が十八番のベルイマン監督の作風とは違います｡
五時間に及ぶ長編で序盤はストーリーを把握することだけで精一杯でかなり退屈しました。登場人物の多さも災いして、なかなか入り込めない構図になってましたね。
ところが司祭が出てきた後半が面白くなります｡アレクサンドルの母親が司祭と再婚したことによって、アレクサンドルが司祭によって虐待を受けるのです。
ベルイマン監督は司祭を悪く見せることで、またしてもキリスト教批難なのか！？エグダール一家も司祭からのアレクサンドル奪還のために、司祭と闘います。エグダール一家の長、アレクサンドルの祖母もエグダール家の威信をかけた肝っ玉ぶりはお見事です。
とにかく後半は波乱万丈で面白かったのですが、前半に退屈さをなんとかしてほしい作品でしたね。
