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マチネー/土曜の午後はキッスで始まるのdiesixxのレビュー・感想・評価

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キューバ危機による核戦争の緊迫感がただよう1962年アメリカの郊外を舞台に、B級ホラー映画に夢中な少年の青春グラフィティー。ウィリアム・キャッスルをモデルにしたと思しき、B級映画の帝王ウールジーのキャラクターが最高。リベラル系の少女サンドラを演じるリサ・ジェイカブもかわいい。
ウールジーのアリ人間映画『MANT』は『放射能X』や『蝿男の恐怖』『縮みゆく人間』などを参考にしたと思しき劇中オリジナル映画だが、普通によくできているのと、何よりウールジーの元祖4DXな仕掛けと劇場の尋常じゃない盛り上がりぶりに見るたびにうらやましくなったものである。巨大蟻がスクリーンを突き破って襲いかかる場面やスクリーンに映った原子雲に観客が驚き逃げる場面など、映画のプリミティブな影響力を再現しようとするダンテの愛情にほろりとさせられる。ダンテも映画は5年以上、長編は10年近く撮っていないがどうしているのだろうか。こんなに才能あるのに。
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