Kamiyo

アフリカの女王のKamiyoのレビュー・感想・評価

アフリカの女王(1951年製作の映画)
4.0
1952年”アフリカの女王” 原題The African Queen
監督.脚本.俳優 ジョン・ヒューストン
”マルタの鷹” ”黄金” ”M.モンロ-の荒馬と女”等有り 

東アフリカの奥地で、イギリス・ドイツをはじめヨーロッパの各国が、そこがわがものであるかのように銘々勝手に振る舞っていた時代の話

ドイツ領コンゴの奥地で布教活動をする兄宣教師と手助けをする妹のローズ(キャサリン・ヘプバーン)。
兄宣教師の唯一の外界との連絡手段の蒸気船「アフリカの女王」号のカナダ人船長チャーリー(ハンフリー・ボガート)
ドイツ軍が進出してきて村を焼き払う。兄牧師はショックで亡くなり、ローズとチャーリーが埋葬し、二人は「アフリカの女王」号で安全な地を求めて船出するが、ローズは兄の弔い合戦で川に停泊中のドイツ敵船ルイザを沈めようと云い出し、チャーリーは渋々承知し川旅を始める

気丈なローズ(ヘプバーン)に振り回される船長チャーリーを演じたボガートがいい味を出している。
無精ひげを生やし汗や油でまみれたシャツを身に着けたボガートはお世辞にもいい男とは言えない。
さえないオヤジにしか見えない。なんだかんだと愚痴をいいながらも結局はローズのいいなりになっている。
というかお転婆娘に振り回される父親のような存在にも見える。
それが苦難の長旅の末いつしか恋人関係へと移りゆく。
それがちっとも不自然に感じられない。
それくらいボガートは優しく頼りがいのある男として描かれているし、ヘプバーンも少女のようなかわいらしさを時折見せる。
とても中年の男女とは思えない若々しさが観客を喜ばせるのだろう。

最後の沼は地味だが怖い。見知らぬ土地で迷ってしまったら死は免れられない。その覚悟をする二人。だが、幸運に会う
ラストのドイツ軍艦のシークエンスでのケリの付け方は、予想通り。

奇想天外、ハラハラドキドキな展開。ハンフリー・ボガードとキャサリン・ヘプバーンの大人で痛快なやりとりが面白い。
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