真田ピロシキ

コララインとボタンの魔女の真田ピロシキのレビュー・感想・評価

コララインとボタンの魔女(2009年製作の映画)
4.9
これは凄い。あまりの動きの豊かさにストップモーションアニメ風のCGじゃないかと思ってた。あっちの世界のおばあさん達のサーカスや世界が崩れゆく時の偏執的とすら言える細部の作り込みと動きのスピーディーさが作品に魂を吹き込んでいてアニメーションを眺めているだけで楽しい。2Dでも3Dでもこれに比肩し得る動きのアニメーションはなかなか思い浮かばない。暖かみと冷たさ、ユーモラスさとグロテスクさ、現実と非現実、様々な相反する要素が次々と目まぐるしく姿を見せて飽きる事なく画面に釘付けされ、またメッセージの強い音楽がとても印象的で感情を激しく揺さぶってくる。引っ越したばかりで無関心な親や奇妙な隣人に馴染めない少女の寂しさをついた児童文学らしいストーリーも良い。